2019.02.27
再エネ発電所ってどんなところ?~バイオエナジー株式会社城南島食品リサイクル施設編~
今回は東京都大田区城南島にある、バイオエナジー株式会社城南島リサイクル施設を見学させていただきました。
城南島は東京都の「スーパーエコタウン」として、民間事業者を中心に廃棄物処理や
リサイクル施設の整備が進められてきたエリアです。
当エリアに立地する施設のうち、バイオエナジー㈱の城南島工場は、
食品廃棄物から「電気」と「都市ガス」を生み出す事業を日本で初めて成し遂げました。
日本で初のリサイクルのかたちを実現した城南島工場、どのような場所なのでしょうか。
まずは概要です。
バイオエナジー株式会社 城南島工場リサイクル施設
・2003年7月設立
・2006年4月1日稼動
・発電電力量:26.880kWh/日 (2,600世帯相当)
・都市ガス供給量:2,400㎥/日(2,000世帯相当)
・処理規模 固形廃棄物:125トン/日
液状廃棄物:5トン/日
城南島工場がエネルギー源としている食品廃棄物、
そのなかに含まれているものは、実にさまざまです。
・調理された後の生ゴミ
・スーパーやコンビニから搬入された、パック入りの食品(賞味期限切れなど)
食品廃棄物には、包装ビニールや割り箸が付いたままのものも多く、
分別がとても難しいとされてきました。
また、水分が多く含まれていることから、燃焼効率が悪いという一面ももっています。
このような特徴から、生ゴミは扱いづらく、リサイクル資源としての利用まで
なかなか進んでこなかったのです。
そんななか、城南島工場では、分別が不十分なままの廃棄物でも受け入れ、
破砕・選別設備を活用し、不適物と生ゴミに選別することで、
首都圏から運ばれるあらゆる食品廃棄物の受け皿となってきました。
夏には野菜をはじめとした廃棄物が増加する一方、冬は日持ちする食品の消費が増えることから、受け入れ量も減少するようです。
自分の食生活と照らし合わせるとイメージしやすいですね。
受入設備も見学させていただきました。
受け入れ口が開き…
集荷されてきた生ゴミが降ろされていきます。
見学のなかで驚いたのが、左の写真上部に写っている装置の役割です。
生ゴミの臭い対策として、甘い香りが出されていたのです!
この香りの効果は抜群で、臭いが気になることはありませんでした。
また、この城南島工場では、メタン発酵により発生したバイオガスから
電気だけではなく、都市ガスもつくっています。
工場内の都市ガス製造設備では、バイオガスを都市ガスと同じ成分にする為に、
都市ガスと同じ臭いを付けたり、熱量を調整したりして、厳しい製造基準管理を行っていました。
バイオガス都市ガス化設備
食品リサイクルは難しいとまだまだ言われている現状のなか、
「循環利用できるはずのものを焼却処理するのは、環境保全の面から良くない」と考え、
電気や都市ガスといった私たちの生活に身近なもの・使い続けていきたいものを生み出す仕組みは非常に画期的でした。
今回はお忙しいなか見学させて頂き、ありがとうございました!