2018.09.28
野田バイオマス発電所のここがすごい!~林地残材の活用~
今回は、野田バイオマス発電所の燃料に注目してご紹介します。
さて、早速ですが質問です!
燃料はどちらから作られているでしょうか??
① ②
☆ヒント☆ 加工されると、このような細かな形状となります。
(写真は林地残材や剪定枝を加工したものです…!)
正解は、『①②の両方』!
皆さま、想像どおりでしたか?
①は丸太材、②は林地残材と呼ばれるものです。
私は燃料というと、丸太材のイメージが強かったのですが、
大きさや形が不揃いの林地残材も利用すると知ったときはとても驚きました。
林地残材とは、伐採の後に残された枝・葉やドンコロ(主に根元部分の不定型材)、また間伐した木材のことです。
通常、流通品としては扱えず、そのまま山に放置されてしまうため問題となっています。
それでは、なぜ野田バイオマス発電所では、林地残材も使っているのでしょうか。
深堀りしていきましょう!
まず、林地残材をそのまま放っておくと、どのようなリスクがあるのでしょうか?
リスクとしては主に2つあります。
①大雨などで流れ落ちてしまった結果、森林環境に悪影響を与えること
植樹したばかりの小さな木の上に流れてしまい、木が育たなくなってしまったり、
最悪の場合、土砂崩れを誘発してしまう可能性があります。
②山火事の危険性があること
放置しておくと木材が乾き、とても燃えやすい状態になります。
タバコのポイ捨てやバーベキュー、焚き火で火の粉が飛ぶことで着火した場合、猛スピードで燃え広がってしまいます。
これまで、林地残材が大規模な山火事の原因となったケースも多いとのことです。
次に、林地残材を燃料として利用するうえで、難しいことは何でしょうか?
現地で加工し、搬出することです。
重機が入れる立地でないといけないので、なるべく平らな場所である必要とのこと。
当然のことながら、山は斜面が多いので、活動できる場所が限られてしまいます。
国有林・県有林で立木の売り入札が出ても、斜面の土地だと買いが付きにくいそうです。
斜面の様子
林地残材を燃料として利用する取組みは、乗り越えなければならない課題が多いことが分かりますね。
しかしながら、加工処理と搬出が終わると、山はこんなに拓けます。
ここに新しく木を育てていくのですが、伐採できるまでには50~60年はかかるそうです。
長い長い時間をかけて、森林は循環していきます。
林地残材を「つかうこと」は、野田村の森林や地元の方の暮らしを「まもること」につながっています。
だからこそ、ハードルが多い林地残材を野田バイオマス発電所では、積極的に活用しているのですね!
野田バイオマス発電所が電気を届けてくれるまでには、地元の方のつながりと地域を大切に思うストーリーがたくさん存在しています。
今回、視察や取材にご協力いただきました皆様、ありがとうございました。