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2022.06.15

岩手県野田村のバイオマス発電所を訪問!

520日に地球クラブの提携発電所である株式会社野田バイオパワーJP(岩手県九戸郡野田村)を訪問し、バイオマス発電所を見学させていただきました。野田村は岩手県北東部にあり、太平洋に面しています。東日本大震災では最大 約18mもの津波が押し寄せ、大きな被害をもたらしました。


野田バイオパワーJPは、20168月に営業運転を開始。林地残材や間伐材などの未利用材、バーク(木の皮)、木質チップなどを燃料とした「木質バイオマス発電」を行っています。再生可能エネルギーの推進はもちろん、野田村の復興事業の一つとして地域と共に歩んできました。


バイオマスとは、生物資源(bio)の量(mass)を表す概念で、「再生可能な、生物由来の有機性資源で化石資源を除いたもの」です。その中で、木材からなるバイオマスのことを「木質バイオマス」と呼びます。


野田村周辺地域は林業が盛んで、燃料となる未利用材、バークなどが安定的に調達できます。これらを積極的に利用することで、地元産業の活性化を図るとともに、安定的な発電事業を行っているのです。


同社には、森林組合から未利用材やバークが、林業関係者から木質チップが納品され、1日約200トンを燃料として使用しています。年間発電量は9,648kW、約26,800世帯の年間電力消費量に相当するそうです。

 

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未利用材

 

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バーク(木の皮)      木質チップ

 

水分が多いバークは燃焼しづらく捨てられることがほとんどなのですが、㈱野田バイオパワーJPはアンドリッツ社(オーストリア)製のボイラを日本で初めて導入しており、「捨てる皮」も燃料としていることが特徴です。ボイラでチップを燃やし、水が水蒸気になる際の膨張力でタービンが回り発電しています。


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貯留槽(ボイラへの燃料供給を行うタンク)

タンクのイラストは、野田村のイメージキャラクター

「のんちゃん」です!


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イラ

 

再生可能エネルギーには太陽光、風力、地熱、水力、バイオマスなどがありますが、バイオマス発電は気象条件の影響を受けづらく、安定した電力の供給ができます。地元材を積極的に利用することで、林業の活性化につながっていることもよく分かりました。

 

㈱野田バイオパワーJPの皆さん、お忙しいなか見学させていただき、本当にありがとうございました!